8月最後のG戦

8月の最終日、31日は丁度日曜日に当たっていたため、アイルランドとフランスでは最後の夏競馬が行われました。G戦は全部で5鞍ですが、内4鞍はG戦初勝利という結果。馴染の無い名前がズラリと並びますので、結果は簡単に紹介しておきましょう。

先ずはアイルランドのカラー競馬場。馬場は good to yielding でした。ラウンド・タワー・ステークス Rownd Tower S (GⅢ、2歳、6ハロン)は7頭立て。ここ3戦連続してG戦に使われてきたカペラ・サンセヴェーロ Cappelle Sansevero が6対4の1番人気。
レースはブラックブライアー Blackbriar が逃げ、5番手を進んだカペラ・サンセヴェーロが抜けると、3番人気(9対2)のラピッド・アプローズ Rapid Applause に4分の3馬身差を付けて優勝。更に4分の3馬身で2番人気(5対2)のウォー・エンヴォイ War Envoy が3着。

ゲール・ライオンズ厩舎のカペラ・サンセヴェーロは、カタール・レーシングの所有馬。勢力を拡大しているカタール・レーシングは、これまでのジェイムス・スペンサーに替ってアンドレア・アズテニと主戦契約を交わしたばかり、今回はアズテニとのコンビで最初の結果を出しました。
同馬はカラーのレステッド戦でデビューから3連勝したあと、コヴェントリー・ステークス(GⅡ)2着、レイルウェイ・ステークス(GⅡ)5着、フェニックス・ステークス(GⅠ)3着と続き、念願のG戦初勝利を果たしました。

カラーのもう一鞍はダンス・デザイン・ステークス Dance Design S (GⅢ、3歳上牝、1マイル1ハロン)。2頭が取り消して9頭立て、3連勝中の3歳馬カーラ・ビアンカ Carla Bianca が5対4の1番人気に支持されていました。
逃げたシャヌーアン Shanooan を5番手で追走したカーラ・ビアンカ、後方から追い込む2番人気(9対2)パール・オブ・アフリカ Pearl of Africa を1馬身抑えて人気に応えました。半馬身差3着は5番人気(7対1)のアライヴ・アライヴ・オー Alive Alive Oh 。

このレースは1996年の愛オークス勝馬に因んで命名されていますが、勝ったカーラ・ビアンカはダンス・デザインと同じモイグレア・スタッドの所有馬で、同じデルモット・ウェルド師が管理しており、最も相応しい勝馬となりました。騎乗していたのはパット・スマーレン。

続いてフランスのドーヴィル競馬場。昨日が最終日でしたが、馬場は相も変わらず very soft で、雨に祟られた夏が終わってしまいました。G戦は3鞍。

カンセー賞 prix Quincey (GⅢ、3歳上、1600メートル)は9頭立て。前走地方競馬クレールフォンテーヌのリステッド戦に勝ったソロウ Solow が6対4の1番人気。
そのソロウ、スタートから先手を取り、これも先行した3番人気(67対10)のスポイル・ザ・ファン Spoil the Fun に5馬身の大差を付ける逃げ切りの圧勝。更に1馬身差で5番人気(89対10)のファイア・シップ Fire Ship が3着。

フレディー・ヘッド厩舎、オリヴィエ・ペリエ騎乗のソロウは、前々走で2マイルの長距離G戦ヴィコンテス・ヴィジエ賞(GⅡ)に出走して6着していた4歳馬。今回は距離が半分の1マイル戦でG戦初勝利を挙げました。実は母はカドラン賞に挑戦したこともあるステイヤーで、父はジングシュピール Singspiel 、血統からはマイラーとは考え難いのですが、やはり馬場が極端に重いことが影響しているのでしょう。

ドーヴィルの二つ目はドーヴィル大賞典 Grand Prix de Deauville (GⅡ、3歳上、2500メートル)。かつては凱旋門賞に向かう馬も出走する大レースでしたが、近年では辛うじてGⅡレヴェル。今年も僅か5頭立てと寂しいメンバーの中、前走同じ距離のトライアル、ルー賞を制したゲートウッド Gatewood が3対5の1番人気。
しかし小頭数は荒れるのが常、結果は4番人気(32対5)のカクテル・クィーン Cocktail Queen が逃げ切ってしまいました。ゲートウッドは頭差及ばず2着、1馬身差で3番人気(59対10)のゴーイング・サムホェア Going Somewhere が3着。

ミリアム・ボラック=バデル夫人が管理し、アレクシス・バデル騎乗のカクテル・クィーンは、2週間前にもドーヴィルでゴントー=ビロン賞(GⅢ)を逃げ切った馬。この日のG戦では初勝利では無いただ1頭の存在です。

最後はモトリー賞 Prix de Meautry (GⅢ、3歳上、1200メートル)。1頭が取り消して9頭立て。リゾランジス賞(GⅢ)2着、モーリス・ド・ギースト賞(GⅠ)4着のゼジェル Zejel が8対5の1番人気。

しかしゼジェルは終始後方のまま、ブービーの8着に大敗してしまいます。優勝は、逃げた6番人気(144対10)のガマース Gammarth を先行から1馬身4分の1捉えた3番人気(13対2)のクールスティー Coulsty でした。同じく1馬身4分の1差で2番人気(16対5)のロベール・ル・ディアーブル Robert le Diable が3着。
イギリスのリチャード・ハノン厩舎、オリヴィエ・ペリエ騎乗のクールスティーは、ロイヤル・アスコットでジャージー・ステークスに挑戦して7着に終わった3歳馬。ここ2戦はチェスター競馬場でリステッド戦、ハンデ戦と何れも2着と堅実に走っていました。2勝目でG戦初勝利となります。

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